あの頃に戻れる?きっかけは?夫婦の関係を修復する方法

1.はじめに

結婚して◯年……ふとした瞬間に「どうしてこの人と結婚しちゃったんだろう」「こんな人だったかな」そう思うことは、ありますか。中には、口にしたくはないけれど、「子供たちがいなくなったあと、この人と2人なのか……」と気持ちがどんよりする人もいるかもしれません。

 

実は、夫婦関係について「何も悩みがない」と言い切れる人は2割。(All Aboutアンケート2021年)つまり、相手に何かしら不満を持つ・夫婦関係で悩みがある人は8割もいることになります。

 

もし、今より夫婦の関係が改善できたら、修復できたならと思っている人は実は多いはず。

でもその方法については「諸説あり」。

 

この記事では、このサイトの監修者であり、実際に多くの夫婦の関係修復に携わってきたカウンセラーの石原沙知さんのアドバイスもいただき、夫婦関係の修復を成功させる方法を探っていきます。

 

2.「夫婦関係修復方法」の数々、本当はどうなの?

「夫婦関係 修復」で調べてみたり、周りに相談して出てくるアドバイスはさまざまありますが多くはこの4つでしょう。

 

ケースバイケースとはいえ、実際の効果はどうなのでしょうか。

 

2‐1.夫に機嫌よくいてもらうことを心がける

家の中を穏やかな空気にすることで、あなたは安心できるかもしれません。

 

ただ、パートナーが不機嫌な理由はあなたが原因でないこともあるはず。そこはコントロールできないことですし、あなただけが機嫌取りに疲れてしまうのは何かが違うかも。

 

ただでさえ、家事に育児にあるいは仕事に介護にと頑張っているあなた。本当は一番リラックスできるパートナーであってほしい相手に気を使うなんて、あなたが余計に疲れてしまうだけでしょう。

 

ちゃんと相手に甘える、くらいの方がパートナーからしても嬉しいはずなのです。

 

2‐2.部屋の掃除や料理など、家事に力を入れる 

家の中がピカピカスッキリ片付いているのは誰しも気持ちがいいですし、食卓が華やかなのは誰でも嬉しいものです。ただ、それをあなただけが担うことや、それによって自分の重要度をパートナーに認めてもらおうというのは少しおかしいとは感じませんか。

 

あなたと結婚したのは、「掃除や料理をきちんとしてくれる人だから」もしくは、「それが条件で」ではないでしょう。あなただから、あなたといたいからだったはずですね。

 

家事をすることで、パートナーは自分の手間が省けて嬉しいかもしれません。でもそれが相手の望むこと全てだとしたら、ちょっと違う気がしませんか? 

 

2‐3.身だしなみに気を遣う・女を磨く

ファッションを楽しんだり、体のラインを整えたり。それ自体はあなた自身のために素敵なことですよね。

 

もし、パートナーがそれを喜ぶとしたら、それはあなたがそうすることによってイキイキと幸せそうにしているから。元々そこにあなたへの関心や愛情、コミュニケーションがあるからなのです。

 

その基盤がなくて、つまり関心も愛情も枯れている中でそれをしても、気づきもしないことの方が多いでしょう。もし気づいたとしても「何があった?」「どういうつもり?」と驚いたり、反対に疑念を持ったりになってしまいがちです。

 

2‐4「時間が経てば」「そういう時期」と放置する

パートナーに対してもやっとしたり、会話が減ったとしても、「子育てで忙しい時期だから」「仕事が大変だから」とやり過ごしてしまうことはありませんか。

 

そのうち、お互いに時間や心に余裕ができたら話そう、今は会話が少なくても時間が経つうちにお互いの理解が進んで、感謝できるようになるのでは……と考えている人は多いようです。

 

けれども、元々お互い違う環境で育ったどうし。すれ違ったり、誤解があったのを放置していても状況が自然に解決することは難しいですよね。むしろ時間が経つにつれ、溝が深まってしまったり、歩み寄るきっかけがなくなってしまう方が多いでしょう。

 

石原さんはこういったネットに多く載っている「修復テクニック」を安易に実践してしまうことに疑問を投げかけています。

 

「多くの『夫婦関係修復の方法』と言われるものには、一時的には改善効果が感じられるものもあるでしょう。でもそれはあくまで一時的なものです。根本的な解決という意味では、悪化させてしまうものもあるのです。」(監修者:カウンセラー石原さん)

 

3.「離婚すべき?」「できればあの頃に戻りたい」どこが分岐点?

3‐1.夫に「モヤモヤしている」その原因を探ると……

パートナーに対して、モヤモヤ・イライラあるいは寂しく思うので、ふと「離婚」の文字がちらついてしまう人もいるでしょう。しかし、それは早急すぎると石原さんは指摘します。

 

「実は、パートナーにモヤモヤしているというのは、相手に対してあなたがちゃんと関心があったり、改善したいという希望があるからなんですね」(石原さん)

 

「多くのご夫婦・カップルをみていて感じるのは、取り組めば改善することを横に置いて、諦めようとしているなということです。本当にもったいないですね」(石原さん)

 

3‐2.離婚をした方がいい?すべき?の判断ポイントは

実際のところ、夫婦の関係性や抱えている問題はさまざまです。つい「離婚」の文字がちらついてしまう、という人はそのきっかけも人それぞれではないでしょうか。

 

「『仕事が忙しいから』と子育てに協力的でないのがイヤ」

「毎日頑張っているのに、ねぎらいの言葉もなくて悲しい」

「単身赴任が長いので、夫がまた同居する生活がイメージできない」

「夫の言動で、どうしてもイラついてしまうことがある」

「姑のことばかりで、私のことは二の次で寂しい」

「会話がない。子どもが巣立ってまた2人になってしまったらと考えると不安」

「夫といる意味ってどうなんだろう?私の人生って?て思ってしまった」……

 

他人から見えにくく、2人の関係性の中でできあがってしまった独特の価値基準もあったりします。

 

だから、なんとなく少しでも違和感を感じたら、誰かに話してみることは大切ですね。

 

ただ、意外と親しい間柄の人や親族は「そういうもの」と流してしまったり、自分の家での経験のみからのアドバイスに走りがちです。そうなると、必ずしも関係修復につながらないかもしれません。

 

中には一般的にみたら、「身の安全」という観点から、早く関係を整理した方がいい場合も実はあることは事実です。

 

その辺りの判断も含めて、客観的でさまざまなケースを診てきているカウンセラーさんの力を借りることは、とても有効でしょう。

 

4.カウンセラー選び〜夫婦関係修復のステップ

4‐1.離婚するためのカウンセラー、修復するためのカウンセラー?

もし、カウンセリングを受けてみようと思った場合、実は注意すべきポイントがあります。

 

それはカウンセラーにも、主に「離婚するためのカウンセリング」をするカウンセラーと「関係修復をするためのカウンセリング」をするカウンセラーがいるということです。

 

離婚カウンセラーの場合、カウンセリングはいかに円満にあるいは迅速に離婚できるかの手続き、その後生活へのアドバイスなどのアドバイスやサポートです。つまり離婚ありき、で話が進むことになります。

 

夫婦関係の改善・修復カウンセリングの場合は、現状の把握から課題、相談者の希望に合わせて関係の継続や改善の可能性を探ることになります。

 

まずはそこを間違えると、元も子もありませんので、気をつけたいものです。

 

「カウンセラーを選ぶ際には、実際にカウンセリングを受けた人の声を確認した方がいいでしょう。

関係修復においても、さまざまな方法を使っているカウンセラーさんがいます。

結局、自分がありのままを明かすことになるのですから、信頼に足る人かはその人のホームページや発信物なども参考したいものです」(石原さん)

 

4‐2.最善な選択をするために…まずはコミュニケーション

「次は、相手の夫婦関係や生活のなかで望むもの・大切にしたいもの・ことをあらためて聞いて理解していくことですね。つまり、コミュニケーションをとること、重ねていくことです。

 

夫婦関係が疎遠になっていく原因の多くは、それをお互いに確認せずに過ごしていくうちにすれ違いや誤解が生まれてしまうことなのです。」(石原さん)

 

実は、そのコミュニケーションがしっかり取れている夫婦の方が少ないかもしれませんね。

 

あるいは、もうなかなかコミュニケーションがしづらい、ついケンカになってしまう人も少なくありません。そういった時は、カウンセラーに相談することでコミュニケーションが取りやすくなることは多いです。

 

「今までコミュニケーションを意識的に行ってこなかった方は、だからこそ、それをするだけで夫婦関係は大きく改善に向かうことは多いですよ」とも石原さんは語っています。

 

4‐3.改善するための伴走者がいると乗り越えやすい 

ただ、そうは言っても気まずい・よそよそしい雰囲気を破って、パートナーとコミュニケーションをとっていくのは誰しも勇気がいることですね。とっかかりをつかむのも大変です。

 

カウンセリングのいいところは、その具体的な手立てをそれぞれの相談者に応じてアドバイスしてくれるところでしょう。また、実際に行動してみた結果を承認してもらえたり、思わぬ相手の反応に不安になった時でも、その後の対応の仕方や、感情のフォローもしてくれます。

 

カウンセラーという頼れる伴走者がいることによって、自分1人で試行錯誤するよりも早く、夫婦の関係の修復が進む可能性は高いのです。

 

5.まとめ

夫婦関係の修復は、一時的に何かテクニックを使ったとしても、根本的な改善は見込めません。自分が望んでいる夫婦関係とはどんなものか、そしてあらためてパートナーの本当に望んでいることを知ることなど、かなり根気強くステップを踏む必要があります。

 

でもその大変なステップをしっかり踏んで乗り越えられれば、年齢に関係なく、幸せな夫婦関係を築き直すことができます長い目でみたら、結局そのほうが何倍も幸せで豊かな人生になるはずです。

 

そのためにも、「離婚」という言葉が頭をよぎったら、本当にそのタイミングなのか、あるいはパートナーに対してもやもやしたり違和感を感じたら、自己判断は禁物です。一度信頼できる専門家に客観的にみてもらうことは大切ですね。

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