目次
1.はじめに|あなたの努力、パートナーに届いていますか?
「いつの頃からか、これが当たり前になりました。
二人の娘を育てて10年。その間私も必死でした。
だから、さほど気にはしていなかったんです。
周りもみんなそんなもんだろうな…くらいに思っていました。」
そう語るのは、下の子を出産して以来セックスレス7年になるという美咲さん(41歳)。
「だけど…」
自分たち夫婦は少し周りと違うのかも…
美咲さんがそう思い始めたのは、ここ1~2年のことだといいます。
キッカケは何気ないママ友同士の会話から。
「ふだん、子供だちと一緒に寝ているというママがほとんどなんですが、
夫婦生活はいつどうしてるか?という話題になったんです。」
「正直動揺しました。あ、みんな、ふつうに夫婦生活があるんだ。
衝撃、とまでは言いませんが、多少のショックはありましたね。」
「その場は何とかごまかして逃げ切ったものの、自分たち夫婦のセックスレスという
問題が、頭から離れなくなりました。」
『日本の夫婦の2組に1組以上はセックスレス』というフレーズを、
一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
メディアなど文字で見かける分には、気にも留めることなくスルーできてしまう
日常の中の何でもない1コマなのかもしれません。
でも、それが自分の身に降りかかると、そういうわけにはいきません。
美咲さんのように、あなたも少なからず悩まれてはいないでしょうか。
「実際、パートナーに拒否されて、傷ついている女性はたくさんいらっしゃいます。
でも彼女たちは、関係性を改善するために、一生懸命努力されているんですよね。」
そう語るのは、このサイトの監修者でもある石原沙知さん(セクシュアルパートナーシップセラピスト)。
石原さんによれば、自分たちのセックスレスに向き合い、改善に向けて努力される姿は、
本当に健気でただただ敬服の念を抱く一方で、せっかくの努力がパートナーには届いていないな‥と感じることも少なくないとか。
傷つきながらも一生懸命努力しているのに、それが届いていないとしたら‥
そんな残念なことはないですよね。
この記事では、あなたの努力がパートナーに届かない理由とその対策について解説します。一生懸命頑張っているのに報われないな…と寂しく感じているあなたこそ、
是非読んでみてくださいね。
2.セックスレス妻の心理|ただあなたに振り向いてもらいたくて
特別な理由があるわけではないけれど、気付けばセックスレス。
決して夫婦仲が悪いわけではないし、生活にもある程度満足している。
セックスレスで悩んでいる女性の中には、こんな状況の方も多いのではないでしょうか。
表面上問題がないからこそ、いっそ、素通りしてしまいたい。
セックスレスと向き合う事・解決に向けて動くことから逃れたい…
そんな思いとの葛藤もあるかもしれません。
そんな妻たちが、セックスレスの問題の解決に向けてどんな努力をしているのか。
いくつかみていきましょう。
2-1.妻の努力その1|見た目に気を遣う
セックスレスの妻たちの多くがしている努力その1が「見た目に気を遣う」です。
・ダイエットをする
・ジムやエステに行く
・化粧品やメイクを変える
・夫が好む服装にする
・セクシーな下着を身につける
などなど。
妻側がセックスレスの原因を「女性として見てもらえなくなったから」だと
捉えているのでしょう。健気ですね。
「綺麗でいること」「理想の見た目をキープすること」を、
『ご自身が楽しむため』に出来ていたら素敵なことだと感じますが、
『夫のため』だとしたら少し複雑です。
2-2.妻の努力その2|料理や家事を頑張る
セックスレス中の妻の努力その2は、「料理や家事を頑張る」です。
これもイメージしやすいのではないでしょうか。
少しでもおいしい料理を食べてもらいたい。
いつもより家がきれいだと言ってもらいたい。
頑張っていると認めてもらいたい。
愛されていた新婚の頃の自分を再現するような感覚でしょうか。
もちろん、そんな妻の姿を見たら喜ぶ夫も多いでしょう。
夫に喜んでもらいたいと心から思って行動しているなら、これも素敵なことです。
さらにそのことを自分自身も楽しめているなら、言うことはありません。
自己犠牲的になっていないか、押しつけになっていないか。
このあたりをセルフチェックしてみるとよいでしょう。
2-3.妻の努力その3|セックスレス解消法について本やネットで学ぶ
セックスレス中の妻の努力その3は
「セックスレス解消法について本やネットで学ぶ」です。
セックスレスについて検索すると、今はたくさん情報が出てきます。
そういったネットや書籍の情報で、セックスレスの原因や解消法について
一生懸命学ぶという妻たちも少なくありません。
石原さん(セクシュアルパートナーシップセラピスト)によれば、そうやって学んだ内容をご主人に力説したり、本で得た解決法を実践してみるなど、
情報収集にとどめず、具体的に行動を起こしている妻たちも多くいるとのこと。
「しかし大抵の場合、喧嘩になるか、拒否されるか、無言で終わるか。
そもそも話すら聞いてくれない、ということもしばしば。
中には「わかった」と言ってくれる夫もいますが、結局行動は変わらない。
そうやって傷ついている女性がたくさんいます。」
あなたには、そんな経験はないでしょうか。
関係性をよくするために一生懸命努力しているのに、なかなかわかってもらえない。
これは辛いですね。夫たちも少しは気づいて欲しいものです。
3.セックスレス夫の心理|少しそっとしておいてほしい
前章では、セックスレス解消に向けて妻側がしている努力について触れてきました。
こんなに努力しているのに、どうしてパートナーに届かないんだろう。
やきもちしたり、悲しい気持ちになったりしますよね。
美咲さんも、その一人。
自分たち夫婦がセックスレスに陥ったのは何故なのか。
自分の何がいけなかったのか。
「育児や家事に奮闘し、見た目を気にしていなかったから?」
「子供優先になり、旦那さんをないがしろにしていると思われているから?」
自問自答しながら、ダイエットに励んだり、メイクを工夫したり、
セックスレスの本を読んでみたり…考えらえる方法は一通り試してみたそうです。
繰り返しますが、健気ですね。
そんなときの夫の心理とはどんなものなのでしょうか。
少し見ていきたいと思います。
3-1.夫の心理その1|セックスレスを問題だと思っていない
セックスレス夫の心理その1は「セックスレスを問題だと思っていない」です。
「いや、妻のことも大好きだし、セックスしたくないわけではないけど、
日常生活送っているとほかにもいろいろやることあるし、
意外とタイミングがないんだよね。夫婦仲良いんだしそれでよくない?」
…といった感じでしょうか。
一生懸命努力している妻からしたら、なんとも拍子抜けしてしまう内容ですが、
意外とよくある話なんです。
夫婦の形が、セックスという要素を取り除いても完結してしまっているのですね。
夫婦ともに同じように感じられているのであれば、これはこれで問題ないのです。
妻がセックスレスを問題視しているのに、夫がこのスタンスの場合、悲劇が起こります。
3-2.夫の心理その2|性欲がわかない、とは言えない
セックスレス夫の心理その2は
「正直、性欲が湧かない。でもそうとは言えない」です。
夫からすれば、毎日仕事に追われ疲れていて、正直SEXどころではないんですね。
次にいつ会えるかわからない恋人時代なら違っていたかもしれませんが、
いつでもできる妻相手でなので、今日じゃなくてもよいわけなんです。
また、めまぐるしく日常生活を送っていると、
そういう雰囲気になりにくいというのもあるでしょう。
仕事に家事に育児にと、髪をふり乱し日々奔放する妻。
「心から感謝はしていますが、正直女性として見れない時もあります。
色気だとか、性欲だとかといったことと、対極にいるんですよね。
ハッキリ言ってしまえば、性欲が湧かないんです。
もちろん、そんなこと、妻には言えないですが。」
なんと勝手なんでしょう。
でも、妻側からすると、これはショックです。
決して妻に問題があって性欲が湧かないわけではないのですが、
やはり、それを知れば、多くの妻たちは
「自分にはもう女性としての魅力がないのだ」と思い悩むことでしょう。
それがわかるので、夫も「性欲が湧かない」とは言えないのです。
妻への優しさや愛情があるからこそなのですが、
悲しいかな、言わないことで溝はますます深まります。
3-3.夫の心理その3|めんどくさい
セックスレス夫の心理その3は「面倒臭い」です。
これもまた、妻としては切ないのですが、
仕事が忙しく疲れている夫にとって、SEXは「面倒臭い」のです。
これには、家事に育児に忙しい妻も共感できるかもしれません。
パートナーとSEXをすることが嫌なわけではないけれど面倒臭い。
その面倒臭さが、「今日じゃなくても」「また心に余裕があるときにね」
という気分にさせるのです。
本当は、その意識を変えない限り、
「心に余裕があるとき」など、永遠に来ないんですけどね。
何にせよ、夫側の心理としては「面倒臭い」のです。
3-4.夫の心理その4|「なんでしてくれないの?」にうんざり
セックスレス夫の心理その4は、妻の「なんでしてくれないの?」にうんざり、です。
これは、妻側からすると、少しドキッとしますね。
夫としても決して妻とSEXしたくないわけではないのです。
上述したように、夫なりになかなかSEXに積極的になれない理由があるわけですね。
その理由を伝えないのも、夫なりの妻への配慮だったり、優しさゆえだったりします。
そこに、妻の「なんでしてくれないの?」が容赦なく入ってくる…
少し想像してみてください。
夫の「うんざり」、わからなくもないのではないでしょうか。
当然、うんざりしたとしても、そうは妻に伝えないでしょうから、
そこでまた、溝は深まります。
3-5.夫の心理その5|以前、妻に拒否されて傷ついている
セックスレス夫の心理その5は「以前、妻に拒否されて傷ついている」です。
…こちらについては、あなたも心当たりはないでしょうか。
妻側としては、拒否した自覚がないことも考えられます。
たまたまその時疲れていたから、子育てが大変だったから…
そんなちょっとした理由で、その時のお誘いを断っただけだったかもしれません。
しかし、断られた夫側としてはしっかり覚えていたりするんですね。
男性は、意外と繊細なんです。
また断られるのがこわくて、傷つきたくなくて慎重になっているとしたら?
セックスレスを思い悩む前に、
妻であるあなた自身の行動を振り返ってみることも大切です。
4. 解決のためにやらないほうが良いこととやるべきこと
セックスレスに陥った夫側の心理を見て頂きました。
思い当たる節、ありましたか?
そんな夫側の心理を踏まえ、セックスレスを解消するために
「やらないほうがいいこと」と「やった方が良いこと」について触れていきます。
4-1.やらないほうがよい解決策
まずは、「やらないほうがよい解決策」です。
・小手先の解決策
・独りよがりの解決策
ひとくくりに言ってしまうのは少し憚られますが、
「小手先の解決策」とは、2章でお伝えした「妻の努力」の1つ1つがこれにあたります。
・ダイエットをする
・ジムやエステに行く
・化粧品やメイクを変える
・夫が好む服装にする
・セクシーな下着を身につける
・料理や家事を頑張る…等。
否定するつもりはありません。
努力されている姿は素晴らしいと尊敬します。
ただ、見方によって「小手先」と取られてしまうということです。
「旦那さんの喜ぶ顔が見たくて」「努力する自分が好き」など、
自分がやりたくてやっていることであればまだよいのかもしれません。
「レス解消のために」「夫のために」といった気持ちから行っている行動だとしたら、
やめたほうがよいでしょう。
どうしても、その心底にある「こんなに頑張っているのに」が伝わってしまうからです。
その見えない圧力ほど、相手をうんざりさせるものはありません。
相手が求めていないことを、相手にとって良かれと思って行っている行動は全て、
「小手先の解決策」なのです。
4-2.積極的にやるべき解決策
反対に、「積極的にやった方が良い解決策」を見ていきます。
・相手の気持ちを知る
・自分の気持ちを伝える
意外とシンプルですね。
「なんだ、そんな簡単なこと…」そう思われた方も多くいるかもしれません。
ですが、実際はどうでしょう。
実は、やっているようで、出来ていないことが多いのです。
相手の気持ちを知るためには次のステップが必要です。
①観察する
②想像する
③話し合う
夫婦のような近い関係性だと、「わかっているつもり」という状態に陥りがちです。
他の人に対しては出来ている①②③のステップが、パートナーに対しては出来ていないということが多々あるのです。
セックスレスのようなセンシティブな内容ならなおさらです。
日常生活の中では話を切り出すきっかけを作るのも難しく、結果として、
セックスレスの解決策をネットや書籍の情報など、外に求めてしまう…
パートナーの気持ちを無視した解決策など、独りよがり以外のなにものでもありません。
一方的に投げつけられたところで、相手に逃げられることはあっても、
受け入れられることは難しいでしょう。
関係性を壊したくないと思えば、対面衝突を避け、はぐらかされもします。
それは、あなたを傷つけたくない優しさから来ているのかもしれないのです。
石原沙知さん(セクシュアルパートナーシップセラピスト)は、次のように話されています。
「夫婦のコミュニケーションは、本来2人のもの。独りよがりであってはいけません。
夫婦の問題の答えは、本やネットの成功例には無いのです。
夫婦それぞれに合った解決策があることに気づいてほしいです。」
セックスレスという夫婦の問題を、パートナーはどんなふうに捉えているのか。
まずは観察し、想像し、それをもとに話し合ってみる。
そして自分はどうしていきたいのか、きちんと気持ちを伝えてみる。
シンプルですが、大切なことです。
5 おわりに|2人での解決が難しい時は専門家に相談してみよう
セックスレスに対して妻のしている努力、夫側の心理、やってはいけない解決策、やった方がよい解決策について解説してきました。
大切なのは、夫婦に合った解決策を見つけること。
1人で悩むのはやめて、まずは2人で話し合いましょう。
2人での解決が難しいと感じたら、第三者に相談することもおススメです。
ただし、まちがっても自分の親・兄弟や友人に相談することはしないでくださいね。
ネットや書籍に解決策を求めていた時と変わらぬ結果になってしまいますから。
2人の状況を客観的に判断できるパートナーシップの専門家に相談しましょう。
今まで、人知れず、たくさんの努力をされてきましたね。
もう1人で頑張らなくて大丈夫です。
あなたの想いがパートナーに届くことを、心から祈っています。
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