産後のセックスレス 夫婦の亀裂を生み出さない方法

 

1.したい?したくない?産後のセックス

人類が子孫を作るために必要な行為、それがセックスと出産です。

しかし、産後をきっかけにセックスレスになってしまったことに悩む夫婦がいます。

 

産後のセックスについて夫婦がお互いにどう思っているか、とくに「したくない」「できない」と考えている人の意見にフォーカスしていきたいと思います。

 

1-1.産後のセックス 妻たちのホンネ

◆妊娠や出産を恐怖に感じている

つわりがあったり、仰向けに眠れなくなったり、お腹が大きくなっていく変化自体も怖くて、 妊娠中は体も心も不安定だったように思います。

私の場合は出産に30時間近くかかったうえに、子供の頭が大きくて結構裂けてしまったので、出産後1か月ぐらいは座ることができませんでした。

ようやく座れるようになったら、今度は40°の高熱が出ちゃって。というのもどうやら産道も裂けていたみたいなんです。

2ヶ月ぐらい経ってからですかね、ようやく体が落ち着いたのは。

そのあと主人が誘ってくれるんですけど、とにかく怖くて。

 もちろん2人目も欲しいし、彼と愛し合いたい気持ちもあります。

だけど、またあの思いをしないといけないのかと思うと、すんなり頭を縦に振るには躊躇してしまう自分がいて。

でもまだもう少し時間が欲しい。

気持ちが追いつかないんです。報いたいんですけど。

どうしたらいいのかわかりません。

 

◆育児が不安でしょうがない

「妊娠出産お疲れ様!」って感じにはならないのは知ってましたけど、育児って本当に大変。数時間おきの授乳やお世話。とにかく怒涛の毎日です。

最近これでいいのかな?って思ったりして。

育児って閉鎖的というか、孤独を感じるみたい。社会から外れてるというか。

そんな風に思う自分が情けなくて辛いです。でも頑張らないと。

 

◆産後の非協力的な夫を恨んでいる

死ぬまで忘れないし、今も恨んでます。

産後10日で「俺出張だから」って。しかも出張の準備も私がするのが当然って態度。

初産で右も左もわからない状態なのに、僕は支える気がありません感丸出しでした。

娘も高校生。

離婚までのカウントダウンはもう始まってます。

 

◆セックスしたいのに、旦那がイライラさせる

うちの旦那は育児に協力的ではあるんですけど、言わなきゃやってくれないんです。

いちいち聞いてくるのがうっとうしくて、必要以上にムカついちゃって。

毎日そんな感じで私も優しくできないから、とてもじゃないけど甘い雰囲気なんか作れないです。

 

◆疲れ切っていてセックスどころじゃない

とにかく眠いんです。もう3歳になるのにいまだに夜泣きで2,3時間おきに起こされています。

セックスするならその時間ぶん寝るか、終わってない家事をやりたいです。

 

◆セックスの誘い方がわからない

私の場合、産後は関係なくて、あまり自分から誘ったことがないんです。だから、なんて誘っていいのかわからない。

これから夫婦でいる限りはこちらからもアプローチした方がいいってわかるんですけど恥ずかしくって。

 

◆お互い時間が合わない

育児中心の生活の私と、仕事中心の夫。

元々少なかった夫婦の時間がますます無くなってます。一日会話も無ければ目を合わさなかったなんてことも増えてきたかも。そんな二人にセックスなんて考えられない。

もうあの頃には戻れる気がしないです。

 

1-2.産後のセックス 夫のキモチ

◆女性として見れない

いつも、頭はボサボサ。俺のことは二の次。

「ご飯はチンして食べて」って。

育児が大変なのはわかるけど、もうちょっとちゃんとしてほしい。

昔はこんなんじゃなかったのにな。

セックスどころじゃない感じが滅茶苦茶伝わってくるし、僕もそんな彼女とセックスしたいとは今のところ思わないかな。

 

育児に家事に仕事によく頑張っていると思います。

いい嫁、いい妻、いい母です。

そう、お母さん、なんですよね。

お母さん過ぎて、女って感じしなくて。

こんなこと言って自分でもひどいとは思うんですけど、お母さん過ぎちゃって、性欲がわかないのが悩みです。

 

◆いつもイライラして会話すらない

私は姉がいるので、妊娠出産育児がどれだけ大変か、耳にタコができるほど聞いていたんです。自分の子どもを産んでくれるということに感謝もありますから、できることはやりたいと努力しています。

ですが、何やっても怒る、聞いても怒る、最終的には子どもを抱かせてもくれなくなります。

何が間違いなのかもわかりません。

もう八方ふさがりですよ。

セックス?そんなのしようなんて言えるわけないじゃないですか。

 

◆仕事が忙しい

家族が増えて、とても嬉しいです。

だからこそ養わないといけないわけだから、仕事をもっと頑張らないと。

僕は仕事、彼女は育児。それをお互い頑張るのが当然でしょう。

2人目?いずれはと思いますが、いまはそれどころじゃないです。

 

◆誘ったけど泣いたり怒られたことがある

先生が「安産でした」って言ってました。

うちはミルクだし、子どもは朝までぐっすり出てくれるわけですから、もうセックスしてもよくないですか?

だから、誘ったのにポロポロ泣くわけですよ。

そんで次の日から無視。

言いたいことがあるならさっさといえばいいのに。

 

2.産後のセックスを阻む原因

皆さんの心の内を聞かせてもらったことで、セックスしたいのにできない、セックスがしたくないという色々な想いがあることがわかりました。

 

そして、その思いの背景には幾つかの共通点が見えてきました。

ここでは、特に注視してほしい2つの原因と対策方法をお伝えしたいと思います。

 

2-1.育児スタートで生活一変

育児が始まると、「とにかく余裕がない」「四六時中イライラする」と多くの人が言います。

 

そういった育児中のイライラの原因は実は明快です。

それは「自分の思い通りにならない」から。

 

自分の思った通りに子どもが寝ない・食べない

自分が手を煩わせなくてもいいはずなのにパートナーが自身のことをやらない

自分の思うタイミングで寝れない・食べれない・トイレに行けない・セックスもできない・誰も助けてくれないetc…

 

人を育てるということは、他人の人生を管理することですから、そこに反発や戸惑いがあるのは当然です。。

まずは、「今まで通り」ということが難しい、もしくは無理だということ、そして「自分の思い通りにはならないので、ゆとりを持って計画をたてる」ことを実践するとよいでしょう。

例えばですが、時間がないのでついついタイトに予定を立ててしまってはいませんか?

 

【今日は8時までに食事を食べさせて、洗濯物を干して、お昼の用意を終わらせたら、10時に公園へ行って、12時に帰ってきて…午後は買い物に行って昼寝が15時ごろだから…】といった計画を立てておいたとしましょう。

でも実際はというと、

【遊び食べしていつまでもご飯が終わらない、洗濯物を干す時間がない、お出かけバックの中を全部引っ張り出されていた、出がけに洋服を汚す、出かけてすぐにおしっこを漏らす、行きたい方向に歩かない、公園から帰ろうとしない、昼寝をしない】など、蓋を開けてみれば計画通りに行かない方が常です。

 

以前のようにできなくなった、計画通りにうまくいかないと嘆くより、新しい生活の始まりのなかで何ならできるか?どうすれば笑顔でいられるか?と前向きに考えてみませんか?

あなたは失ったのではなく、知らない世界・知らない喜びを手に入れたのです。

 

そう考えることで心に余裕がでてきたり、よりよい環境を作るための努力がしやすくなると思います。

 

2-2.事故レベルの衝撃⁉︎女性の体と心

出産体験談は多岐に渡ると思いますが、経験の大小にかかわらず妊娠出産後の女性はみな心身ともに疲弊しているということは間違いありません。

そして、それに対する理解というのもあまり浸透していないのが現実でもあります。

 

出産といえば、「鼻からスイカが出てくるような感じ」「生理痛の1000倍の痛み」「腰をドリルで突き上げられている」「ハンマーで越生殴られて砕けた」というような表現がよくなされますが、結局は体験してみないとわかりません。

 

そして、「全治1か月の交通事故にあったレベル」と称される産後の体に鞭を奮って、授乳をはじめとした育児を行うわけですが、そこに対しても周囲の理解、特に男性の理解が伴っていると断言するのは難しいのではないでしょうか。

 

また、産後の脳内も大変なことになっています。

「産後うつ」「ガルガル期」「産後クライシス」等を聞いたことがありますよね。

これらは皆ホルモンのバランスが大きく崩れることによって起きています。

 

女性ホルモンである「エストロゲン」は出産後急激に減少することで不安や孤独を強く感じるようになります。

結果、「産後うつ」になりやすくなるのですが、産後うつの発症率は普通のうつの5倍以上起きるといわれており、誰もが産後うつになる可能性を持ちつつ、更には核家族化が進む現代では増加する傾向にあります。

 

さらに、夫が育児に協力的であっても妻のイライラがとまらないというのもホルモンが大きく影響しています。

授乳時やこどもと一緒にいると「オキシトシン」という愛情を強めるホルモンが分泌されますが、「オキシトシン」には、愛情を送る相手以外には非常に攻撃的になるという作用があることがわかってきました。

つまり、「この人は味方ではない」と判断した場合、夫であっても攻撃の対象になります。

 

「以前だったらそんなに怒らないのに」

「すぐむきになるなぁ」

そんな風に感じた時は、もしかしたらホルモンのバランスが影響しているかもしれないということを頭の片隅に置いてください。

 

本来、子どもを家族に迎え入れるということは素晴らしいことであり、日々の大変さはあるものの、「大変さだけではないもの」ももたらしてくれていますよね。

 

生活や体の変化に驚きや不満はあるでしょうが、夫婦で協力し乗り越えれば、必ずこどもとあなた達夫婦自身が幸せになれるはずです。

 

3.セックスレスを乗り越えて幸せな夫婦関係を築くために

女性にとって、産後のセックスが不安であったり恐怖を感じるのは致し方のないことがお判りいただけたでしょうか。

そして、ライフステージの変化に対しては夫婦それぞれが戸惑いを持っていることも認識していただけたと思います。

 

夫婦の間において大切なことは、「お互いが寄り添い、尊重すること」ですが、産後はお互いの余裕がないためか、それがないがしろになりがちです。

 

ここでは、そのために必要なことやできることは何かをお伝えしたいと思います。

 

3-1.夫婦で話し合う

産後に関わらずセックスレスになったり夫婦が不仲になる理由のひとつに、お互いの意見を交換し相手を理解する努力する行為を疎かにすることがあります。

 

コミュニケーションは人間関係を円滑にする必須アイテムであるのにも関わらず、コミュニケーションの礎ともいえる夫婦の会話が非常に足りないということがセックスレスの大きな原因です。

 

たとえ愛しい人でも、言葉にしなければ伝わらないことはたくさんあります。

 

例えば、身体に傷を負っていたり、現状についていけず、セックスの誘いに応じるには時間がかかる場合だとします。

自分の抱える事情を伝えずセックスを拒否し続けていると、相手は「自分のことを好きではないかも」とか「自分よりも違う人のことが好きなのでは」など良からぬことを考えたり、相手の態度に怒りや不満を覚えるかもしれません。
自分がなぜ今セックスがしたくないのか、何に不安や恐怖、不満を感じているかということをきちんと相手に伝え、理解してもらう努力をしましょう。

 

逆にセックスに誘いたい場合なら、相手が誘いに応じられる環境やリラックスできる状況にあるかを一度考えてみましょう。

体も心もホルモンも、そして育児の環境も整ってない相手にセックスを強要するのは、自分の性欲のことしか考えていないと思われてもしかたがありません。

 

極端な話、挿入しなくても相手を慈しむことはできますし、お互いの許容できる範囲や妥協点について決めたりすれば、心が通じ合っているという安心感を産むことでしょう。

お互いの現状と希望を話し合い、心地よい場所を求めあうことは悪いことではなく、むしろこれから長い人生を共に歩むうえで必要なことと思っていただけたらと思います。

 

そもそも、話し合うということは自分の不満や意見をすり合わせる為だけに存在するのではなく、今日会った楽しかったことや分かち合って笑顔で過ごせる時間を作るツールでもあります。

幸せになるためにもぜひ「話し合う」というツールをうまく活用してくださいね。

 

3-2.専門家に相談する

出産によって身体が裂傷したような場合は、産婦人科のお医者さんに相談するのもよいでしょう。

産後、地域によっては自宅に助産師さんや保健師さんが訪問してくれる制度があるので、そこで相談をしてもいいかもしれません。

産後ケア施設もあるので、適切なサポートシステムを利用するのもいいでしょう。

 

ホルモンバランスの崩れが起きている場合、整えるような薬の服用は授乳中であればお勧めできません。

この場合は、医療行為で中和するより育児の手伝いをしてくれたり、不安などを聞いてくれるサポート環境を整えるよう情報を集めて協力しあうのが良いです。

 

専門家に相談したり専門サイトで情報を集めるメリットは、あなたたちよりもあなたたちのことを知っている人からアドバイスをもらえるということです。

そして、専門家からのアドバイスをもとに話し合いをすれば、パートナーもある程度あなたの体を理解してくれるでしょうし、あなた自身も医者の判断があったほうが心の後押しになると思います。

 

3-3.話し合いでの解決が難しい時は 

産後の育児には育児と産後の女性のサポートとケアが必要なのですが、そのためには情報収集と話し合いなどによる共通理解が大切とお伝えしてきました。

 

しかし、話し合いをしても、上手く相手に伝わらなかったり、相手を理解できないこともあるでしょう。

 

ましてや、産後で体が疲弊している上に、 慣れない育児が重なれば夫婦の生活はより余裕がなくなっている状態になることは容易に想像できます。

当然言葉が荒くなったり、相手に対する配慮が欠けてしまう場合もあり、知らないうちに傷つけ傷つけられることもあるでしょう。

 

かといって、そのまま放置していても解決はしません。

むしろ夫婦の溝は広がるばかりです。

 

そんな夫婦二人だけでの解決が難しい場合は、心の傷の専門家に相談してみるのはどうでしょうか?

 

夫婦カウンセラーに相談する人は年々増加傾向にあります。

そして多くの人が夫婦間の問題を解決し、幸せな人生を歩んでいます。

 

時間がわだかまりをほぐしてくれる一縷の望みに託すよりも、解決策をきちんと提示し道筋を立ててもらえる心強い味方を手に入れてみませんか?

 

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