セックスレス1年「したいのにできない」「もうしたくない」の悩みを 解決

1.はじめに

「最後にしたのはいつだっけ?そう、あの時から一か月、二か月…もう一年以上ね」

 

あなたも、こんなふうにセックスしていない期間を指折り数えたことはありませんか?妊娠や出産、仕事が忙しくなったタイミング、あるいは些細なすれ違いがきっかけで、セックスレスの期間が一年以上になることは、決して珍しくありません。

 

とはいえ、二人のうちどちらかがセックスレスの状態に不満を抱いているのなら、やはりこのままではまずいでしょう。

 

なぜなら、セックスレスは放置すると浮気や不倫につながりやすく、関係が破綻してしまうリスクが高い問題だからです。

 

「勇気をだして誘っても応じてもらえない」と悩む人がいる一方で、逆に「もう今更したくない、でも拒否してばかりじゃ申し訳ない」と悩む人も。

 

決して大きな声では言えないデリケートな問題なだけに、一人で悶々と悩む人も多いようです。いったいどうすればいいのでしょうか?

 

この記事では、セックスレスになってから一年が経ち、このままでいいのかと不安に思っているあなたの悩みに寄り添い、心を軽くするためのヒントをお伝えします。

 

2.セックスレスでも平気な夫の心理は?

「ごめん、今日はそういう気になれない」という夫の言葉を何度聞いたことか。いつになったら「そういう気分」になるの?もう永遠に、その日は来ないんじゃない…?

 

せっかく勇気を出して誘ったのに、何度も拒否されるとなると、女としては心が折れてしまいますよね。

 

「私は、もう女としての価値がないのかな……」「もしかして、夫は浮気してるのかも 」「どうしてこうなったんだろう、悪いのは私?」そんな悲しみや不安に押しつぶされそうになるのは、あなただけではありません。

 

なぜ夫は妻とセックスしなくても平気なのか?セックスレスに関する調査結果を交えて、男性の心理を紐解いていきましょう。

 

2-1.男性がセックスしない理由はコレ

悩ましいすれ違いが、なぜ起こるのでしょうか。2018年、相模ゴム工業が20代~60代の男女に行ったセックスに関する調査から、男性がセックスしたくない理由をランキング形式にしてみると以下のようになりました。

 

Q.セックスをしたくない方へ

 なぜもっとセックスをしたいと思わないのですか?(8つの理由から選択)

 

1位:年齢的にもうよい

2位:面倒くさい

3位:仕事や家事などが忙しく疲れている

4位:性欲がない

5位:セックスよりマスターベーションの方が良い

6位:結婚(交際)相手とのセックスに飽きている

7位:その他

8位:結婚(交際)相手に愛がない

 

上のランキングは、20代~60代の平均の結果を表したものです。1位の「年齢的にもうよい」に関しては、当然ですが答えた人の年齢によるところが大きいため、あまり参考にならないかもしれません。実質的には、2位の「面倒くさい」が1位と考えてよいのではないでしょうか。

 

また、セックスしたいと思わない理由として「結婚(交際)相手に愛がない」は少なかったという結果から、セックスしたくないからといって愛情がないわけではないことが伺えますね。

 

愛情がないわけではない、でもセックスするのは面倒くさい。

 

これが、妻や交際相手とセックスしない多くの男性の心理なのでしょう。ただ、「面倒くさい」という表現はとても曖昧ですね。一つに絞れず、便利な言葉で片付けているような印象を受けるのは私だけでしょうか?

 

女性側としては、具体的にどうすればよいのかわかりませんよね……。「面倒くさい」の理由はいったい何なのか、探っていきましょう。

 

2-2.レス1年のリアル「面倒くさい」の裏にあるものとは

「妻とのセックスが面倒くさい」と感じる男性たちの本音を伺ってきました。

 

ダメだしされて以来、誘うのが億劫に(40代男性 Kさん)

セックスにダメ出しされたことがあり、それから自信がなくなってしまいました。妻から誘ってくることもないため、「やはり自分は妻にとって役立たずなのか」という思いが拭えず、情けないですが直接聞く勇気もありません。もともとそんなに性欲が強くないし、もう傷つきたくないという気持ちが強いのに、わざわざ雰囲気を作ったり妻の機嫌を取ってまで誘うのは面倒。しなくなって一年以上たちます。

 

可愛げなく、僕を邪魔もの扱いしてくる妻を誘う気にはなれない(30代男性 Dさん)

体形や容姿に気を配ることもなければ、僕が疲れてソファで横になっているだけで邪魔もの扱いしてくる妻。家事や育児で忙しいのはわかるし感謝もしているけど、性的な魅力を感じられないのでセックスに誘う気にはなれません。

 

◆セックスの相性がよくない(20代男性 Sさん)

口が裂けても本人には言えませんが、妻とは体の相性がよくないため、セックスレスになっています。どうにか解決しようと、努力はそれなりにしたけど、結局は解決せす気まずくなるばかり。そのうち、いろいろ試みることが面倒になりました。セックス以外の面ではうまくいってるので別れようとは思いませんが、ずっとこのままなのかと思うと複雑な気分です。

 

妊活のプレッシャーで萎えた(30代男性 Aさん)

妻の年齢を考えると妊娠を焦る気持ちはわかるので、一緒にクリニックに行き不妊治療もしました。でも、だんだんとセックスの目的が子供を作るためだけの作業になってしまって。こちらがセックスしたいときには「今日はしても妊娠しないから」と断られ、気乗りしないときには「今日じゃなきゃダメなのよ!」とセックスを強要される始末。正直、萎えました。幸い子供ができ、今は妊活のプレッシャーからは解放されていますが、それ以降、妻とセックスしたいと思わなくなりました。

 

性的な嗜好の違いから風俗にハマってしまいました(20代男性 Yさん)

大きな声では言えませんが、僕はちょっとアブノーマルな性的嗜好があるんです。妻はそういうのが好きではないのでずっと我慢していましたが、あるとき友人に誘われて風俗に行ったら、ハマってしまって。妻とのセックスに飽きたわけではないのですが、どうにも物足りなくて、妻とはレスになってしまい、そろそろ一年たちます。

 

いかがでしょうか。一言で「セックスが面倒くさい」といっても、その理由は様々です。思い当たる部分はありませんでしたか?

男性たちの声から、女性だけではなく、実は男性も悩んだり傷ついたりしていることが伺えます。女性が考えている以上に、男性は繊細なのかもしれませんね。

 

3.セックスレスは拒否する側も辛い!

セックスレスでも平気な男性に悩む女性がいる一方で、「セックスを拒み続けているけど、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と悩んでいる女性もいます。

 

「このままだと浮気されるんじゃないか」「セックスはしたくないけど夫との関係に溝を作りたくはない」「何度も断る罪悪感で辛い」などと誰にも相談できずに悩み続けているとしたら、かなりのストレスですよね。

 

セックスを拒否される側よりは、深刻に悩んでいないかもしれません。

とはいえ、パートナーとのセックスに対する温度差が大きければ大きいほど、この先どうなってしまうのかという不安が膨らみ、セックスしたいと思えない自分を責めてしまうものです。

 

拒否する側の辛さは、表立っては出てきませんし、「悩むくらいなら拒否せずに受け入れてしまえばいいのに」と思われがちです。

 

ですが、そうはいかない女心。男性と女性の違いから、「セックスを拒否する側の辛さ」について考えてみましょう。

 

3-1.男性と女性の性欲はこんなにも違う

相模ゴム工業が行った、2018年のセックスに関する調査によると、セックスの頻度が少ないことを自覚している人のうち「もっとセックスしたい」と思っている人の割合は、男性と女性でかなり差があることがわかります。

 

以下のデータをご覧ください。

セックス頻度が少ない夫婦やカップルにおいて、もっとセックスをしたいと答えた男性が7割を超えるのに対し、女性は4割未満。セックスに対して消極的な女性が多いことが伺えます。

 

個人差は大きいものの、一般的にはやはり男性の方が性欲が強いですし、女性はホルモンバランスや出産などにより、性欲が変化しやすいのです。セックスをしたいと思わない女性が多いのは、ある意味当然なのかもしれませんね。

 

3-2.セックスしたくないけど、心はつながっていたい

セックスに関する男性と女性の違いは、性欲だけではありません。セックスに対する価値観もまた、大きく違うのです。

 

男性は、「優れた子孫を多く残したい」という動物的本能から、性欲が強く肉体的快楽を求める傾向が強い生き物です。

 

一方、妊娠出産の可能性をもつ女性にとって、安易なセックスはリスクを伴います。パートナーが自分を愛し、守ってくれることを確認して、精神的快楽を得たい生き物なのです。

 

何らかの理由で性欲が衰えても、精神的に満たされたい気持ちがなくなることはありません。

 

もちろん、それは女性だけではなく男性も同じです。ですが、女性のほうが精神的な快楽を求める傾向が強いため、「セックスはしたくないけど愛されたい、心はつながっていたい」と考えやすいのです。

 

そして、「セックスを拒んでおいて愛されたいだなんて、本当に身勝手よね」と、自分でも思っています。だからこそ、セックスを断ることに罪悪感を感じ、パートナーとの関係に溝ができることを恐れて悩む女性が多いのです。

 

4.セックスレスの効果的な解消法3つ

セックスを「したいのにできない」、「したくないけど心はつながっていたい」という悩みは、相反するもののように見えます。

 

ですが、実はどちらの悩みも、元をたどればパートナーの本音を理解できていなかったり、自分の気持ちを伝えきれていないことが原因。

 

どうやら、セックスレスを解消する鍵は、お互いの理解を深めることにありそうです。具体的にはどうすればいいのでしょうか?

 

以下、セックスレスを解消するための3つの方法をご紹介します。

 

4-1.セックスに対する価値観をすり合わせて歩み寄る

セックスに対するお互いの価値観が違えば違うほど、将来的に起こりうる問題は深刻になりがちです。

 

ですが、問題はセックスに対する価値観の違いではなく、お互いの価値観を知り、歩み寄れるかどうか。理解しようという気持ちがあるかどうかです。

 

片方ばかりが我慢して、埋めようのない溝ができてしまう前に、あなたからセックスについての素直な気持ちを話してみてはどうでしょうか?パートナーを責めるのではなく、理解し合いたいという姿勢で。

 

もちろん、うまくいかないことも多々あるでしょうが、少なくとも自分のことを理解しようとしてくれる人間に対して、嫌な気持ちはしないはずです。

 

4-2.お互いの性欲が湧くポイントを知っておく

当たり前ですが、性的な嗜好は人それぞれ。そこが噛み合わないためにセックスレスになる場合だって多々あるのです。

 

普段は性欲がないのに、ロマンティックな恋愛映画を見て急にセックスしたくなる人もいれば、優しいセックスなんて何の刺激もなくて楽しめない!という人もいるのだから、パートナーの性的嗜好を知っておくことはとても重要ですね。

 

場合によっては、性的嗜好を満たしてあげるだけで、劇的にセックスレスが解消することだってあるかもしれません。

 

4-3.専門家に相談する

セックスに関してお互いの本音を話し合うのはあまりにもハードルが高いという方、あるいはパートナーには話したくないような性的なトラウマや、体の問題などがある方は、専門家に相談するという選択肢もあります。

 

セックスレスは、本人同士の話し合いだけで解消できることもありますが、心と体の両方の原因が複雑に絡み合っている場合が多く、そう簡単には解消しづらいのも確かです。

いろいろ努力してもうまくいかない場合は、思い込みで誤った方向に努力していることが多いもの。多くの事例を知っている専門家は、誤った努力を軌道修正し、正しい方向へと導いてくれるでしょう。

 

おわりに

セックスレス一年のお悩みと解消法についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

一年間セックスをしていない夫婦やカップルは珍しくありませんし、今の時点では「まだうちは大丈夫でしょ!」「出産や育児で、それどころじゃないってわかってくれてるはず」などと思える段階で、深刻には悩んでいないかもしれません。

 

ですが、パートナーとの関係は今後も長く続くと考えたとき、性生活の問題はつきものです。セックスレスの状態を片方が我慢しているとしたら、放置すればするほど二人の間の溝は深くなり、埋めるのが難しくなってしまいます。

 

この記事を書くにあたり、セックスレスの専門家にも話を聴きましたが、早めに対処したことで解消できたという実例は実際に多く、深刻になってしまう前に、お互いがセックスについて話せる関係を作っておくことが大事だと話されていました。

 

セックスレス解消を焦る必要はありませんが、お悩みが深刻になる前に、まずは「笑顔」「感謝」「思いやり」など日々のちょっとしたことを大切にしながら、パートナーの気持ちを理解することを心がけてみてはいかがでしょうか。