目次
1.はじめに
セックスレス5年。
ちょっとドキッとする言葉ですね。
「そういえばうちも5年くらいになるかも。ふだんあまり気にしていなかったけど。」
いまや夫婦2組に1組はセックスレスといわれている時代。
意外と、特に問題なく、簡単に受け入れられる言葉なのかもしれません。
「だって夫婦仲は悪くないし、喧嘩することもないし。」
夫婦仲が悪くないのはとてもよいこと。夫婦ふたりとも問題を感じていないのであれば、
セックスレスについてそこまで問題視する必要もないのかなと思います。
たとえば、子どもを妊娠してからセックスレスという場合、出産や育児で日々追われると
5年なんてあっという間だったりします。
その間、大切な我が子を育むという責任を共有し、恋人時代とはまた違う特別な夫婦の絆を築くことで、お互いにとって相手がかけがえのない存在だと感じられているとしたら、
こんな素敵なことはありません。
「でも…」
ただ、もし、「でも…」と、歯切れ悪い言葉が続きそうになるときは、何かもやもやする
ものがあなたの中にあるのかもしれません。そのもやもやを、どうかうやむやにしないでほしいのです。
「いやいや大丈夫。気のせい気のせい…」
わたし自身、そんな言葉でごまかしていた時期が長いことありました。いま思えば、
あのとき自分の気持ちと向き合っていれば、こんなに長く悩むこともなかったのかなと。
こちらの記事では、体験談も交えながらセックスレス5年の実情を見ていきます。
いままであえて向き合ってこなかった方にとって、もやもやから脱する一助となれたら
嬉しいです。
2セックスレス5年|なにが問題?
セックスレス5年、なにが問題?
「問題」といわれてしまうと、ピンと来ないかもしれませんね。
まずは、何となく感じているもやもやを観察してみるところから始めてみましょう。
先ほどの「でも…」のあと、どんな言葉が続きそうですか?
「でも…このままでいいのかな?」「でも…ずっとこのままは寂しいな。」
「でも…たまには2人だけの時間も大切にしたいな。」
たとえばこんな具合でしょうか。
「ほかの夫婦はどうなんだろう?」「わたしたちふつうじゃないのかな。」
「また1年、2年…5年と月日を重ねていったら、この先どうなるんだろう?」
「離婚??…いやいや、まさか…ね…」
「でも…」の続きを考えていたら、「まさか…ね」が出てきました。
冒頭で紹介した、わたし自身が自分をごまかしていた言葉、「いやいや大丈夫。気のせい、気のせい‥」とまさに似ていますね。
いつもなら、このまま素通りしてしまうのかもしれませんが、ここで、「まさか…ね…」に続く本当の気持ちを大事にしてあげてほしいのです。
「まさか、そんなことはないよね。」「まさか、私たちそんな深刻ではないよね。」
「まさか、そんなことになったらどうしよう??」
たとえばこんな言葉が続いたら、少し不安になりますよね。
そうならないようにどうしたらよいか、立ち止まって考えてみたくなるかもしれません。
この章では、もやもやと向き合い、その奥底にある本当の気持ちに気づくことを目指します。よかったら、ぜひ引き続き一緒に進めていきましょう。
2-1 セックスレス5年で離婚はあり?
いきなり「離婚」という言葉を聞いてドキッとしたかもしれませんね。
セックスレスがそのまま離婚につながるということではないので安心してください。
ただ、いくつかの弁護士事務所や弁護士監修のサイトを見てみると、セックスレスが理由の離婚も成立しているようなんです。
エン婚活エージェント株式会社が2021年2月におこなった「2020年の離婚」に関するインターネット調査(回答者は2020年に離婚した20~40代の男性564人、女性497人の計1061人)による離婚理由のランキングは以下のとおりです。
【離婚に至った理由ランキング】
1位「性格が合わない」(55.6%)
2位「異性関係」(17.0%)
3位「DV・モラハラ」(16.2%)
4位「金銭トラブル」(14.0%)
5位「性的不調和」「家事や子育てに非協力的」(ともに13.5%)
7位「親族との不仲」(10.1%)
8位「飲酒トラブル」(9.9%)
セックスレスは、5位の「性的不調和」に含まれます。
繰り返しますが、「セックスレス=離婚」ではありません。
セックスレスに至っている理由も人それぞれ。一次的な場合もあります。
セックスレスを離婚に結びつけて恐れるのではなく、ご自身の問題と向き合うために、
1つの事実として認識しておくと良いですね。
「離婚」という悲しい結末につなげないために、自分たち夫婦の問題とどう向き合っていくか。そういう視点でこの先見ていきたいと思います。
2-2 セックスレス5年の実情|A子さんの場合
「実はさ、3人目が出来たんだよね…」
「わ、おめでとう!楽しみだね~」
ママ友からの突然の報告に笑顔で応える。それは本心。
でも…。家に帰ってから、なんとなくもやもやしている。
友人に3人目が出来たことがうらやましいわけではない。
もともと子どもは2人欲しいと話していて、今、7歳と4歳になる子どもがいる。
日々楽しく過ごしているし、傍から見ても仲良い家族だと思う。
しかし、この友人と決定的に違うところがある。
わが家には、「3人目が出来たんだよね」ということは起こらないのだ。
なぜなら、レス夫婦だから。
下の子が生まれてからなので、もう5年になる。
普段は気にしていないが、こういうとき、現実を知らされる。
ああ、普通に夜の夫婦生活があるんだな、と。
みんなどうなのかな?
やはり普通にあるのかな?
私たち夫婦は普通じゃないんだろうか??
これは、2人目の出産からセックスレスで気付けば5年になるという、A子さん(34歳)の
実話です。
わたしはこの話を聞いて、とりたてて特別なこととは感じませんでした。実際、友達との
会話の中で似たような話題になったこともありましたし、わたし自身も同じような思いをしたことがあります。
たまたまわたしの場合は「同じだね」と安心できましたが、普通はなかなかオープンにできる話でもないので、1人で抱えてもやもやしている方が大半なのではないかと推測します。
「良くある話なのかも」くらいに思えると、少し気持ちが楽になるかもしれませんね。
2-3.セックスレス5年の理由
前項で紹介したA子さんの場合は、2人目の出産以来セックスレス5年ということでした。「セックスレス5年」とはどんな状態なのでしょうか。その実情や理由について、ネットの声を集めてみました。(主にヤフー知恵袋より)
「セックスレス5年目。下の子が産まれて1度もしてません。お互い求めてないです。」
「夫は私に対して大きな不満はない様子で、夫婦仲も悪くない。夫に求められなくても「まあ、いいか」と思いつつ、女として見られていない状態なのかとも思い、この頃は複雑な心境に。夫に突っ込んで聞く勇気もなく、モヤッとしている。」
「セックスレス5年目です。下の子を妊娠してから全くしていません。よく考えたら、子作りのセックス以外、積極的に誘われたことがないです。」
「セックスレス5年目の40歳です。子供が二人いて、嫁さんとは寝室も別々で、下着姿すら5年見てない状態です。仲が悪いわけでは無いけど、もう戻れそうに無いです。」
「当方35歳男、妻31歳、子供2人です。妻とセックスレス5年で悩んでいます。妻に求めても求めても拒否され続けてきました。一度妻にはセックスレスは離婚に繋がるという話をしましたが、離婚は絶対しないし、浮気不倫は絶対に許さないと言われています。」
「セックスレス5年を過ぎました。子供はいます。私はしたいですが、主人はその気はないようです。したいことは伝えましたが誘ってきません。仲はよく、ケンカもしません。」
「セックスレス5年」は、色々な年代層でよくある状態のようですが、特に若い夫婦にしぼってみてみると、出産・育児のタイミングでセックスレスに突入したというパターンが
多そうです。A子さんもまさにそうでしたよね。
ただ、なんとなくそのまま…という形が多く、これといって決定的な理由がないのも特徴といえるかもしれません。
2-4.セックスレス5年|あなたの気持ちは?
さて、ここまでA子さんの実例やネットの声を見てきました。
いかがでしょうか。
ほかの家庭もも一緒なんだなと安心した部分もあったのではないでしょうか。
もやもやが残っているのであれば、もう少しもやもやを観察してみても良いかもしれません。そして、ご自身に問いかけてみてください。「何が問題?」と。
・もう自分は女として見られていないのでは?
これは相手の気持ちに対する不安ですね。
・セックスしたいと思えない自分。
相手に対する性的欲求が無くなっていることに焦りを覚える。
これは自分の気持ちに対する不安でしょうか。
・相手も自分もいまのところ不満は感じていないけれど、このままでいいのか?
これは将来に対する漠然とした不安ですね。
不安は、その対象が漠然としていればしているほど大きくなりがちです。
漠然としているモノの正体が明らかになると、不安そのものは小さくなることも
よくあります。
また、正体が明らかになれば、対処もしやすくなりますね。
次の章では、いよいよ、もやもやとサヨナラするための対処法について考えていきます。
3.セックスレス解消の前にやってみてほしいこと
「セックスレス5年」の実情をみてきました。
いまはそこまで深刻ではないけれど、セックスレスが原因で離婚に至る例もあることを
知って、少し不安な気持ちになられたかもしれません。
2-1で取り上げた離婚理由のランキング1位は、「性格が合わない」で離婚理由の55.6%を
占めます。
最初はお互い惹かれ合い、相思相愛で新婚生活を送っていたはずの二人が、長い年月をかけて「性格が合わない」という結論に行き着いたのだとしたら、少し寂しい気がしますね。
それまでに何か違う方向を見いだせていれば、小さな「ずれ」の段階で修正できていたのかもしれません。
改めて、A子さんの事例やネットの声を振り返ってみると、
セックスレスも、夫婦の価値観やタイミングのちょっとしたずれから始まっているように
みえます。
セックスレスそのものが問題なのではなく、セックスレスにまつわる夫婦それぞれの態度や発言から、相手の冷たさを感じてしまったり、寂しい気持ちになってしまったり、傷ついたり…。そしてそれがうやむやなまま、時が過ぎていくことが問題といえるかもしれません。
ここからは、セックスレスの解消というよりも、セックスも含めた夫婦間のずれを早い段階で修復する方法について考えてみます。
3-1レス夫婦 楽しい会話のすすめ
最近、パートナーとの会話、楽しんでいますか?
こう書いて、わたし自身ドキッとしてしまいました。
わたしががいまどんなことに興味を持っていて、どんなことを楽しいと感じているか。
どんな本にハマっているか、何を食べたいと思っているのか。
パートナーは知らないかもしれないなと思ったからです。
逆に、パートナーのことはどこまで知っているでしょうか。
これも正直自信がありません。
パートナーが好きだと思っているモノや本、これもいつの情報だか‥
もしかしたら今は変わっていることだってあるわけです。
セックスレスに至る前に、楽しい会話が減っていないか思い起こしてみてください。
新婚の頃、もしくは付き合いたての頃、パートナーの新しい一面を知ることが嬉しくて、
それだけでドキドキしていたのではないでしょうか。
何年経っても、同じような気持ちで、パートナーに興味を持って接したいものですよね。
「そういえば、最近子どもの学校や法事の話、地区の当番の話など、事務的な会話しかしていないなぁ。」ということであれば、ぜひ、事務的な話抜きで楽しい会話をしてみることをおススメします。
大切なのは、思いやりをもって話し合い、相手を理解しようとする姿勢です。
そうすることで、お互いに対等で、尊重しあえる関係を作っていくことができます。
どんな内容であっても、素直な気持ちを伝えあえる関係が理想ですよね。
そんな関係を築いたのちは、なんらか「ずれ」が生じても、すぐに修正することができ、後々まで引きずることは無くなるのではないかなと思うのです。
3-2.夫婦デートのすすめ
次におすすめしたいのは「夫婦デート」です。
最近2人でお出かけしましたか?
流行りのレストランに行ってみましたか?
話題の映画は観ましたか?
「家族で行っているよ。」
「子どもたちの好きなファミレスに行ったよ」
そんな声が聞こえてきそうです。
ここでオススメしたいのは「夫婦デート」です。
子どもは預けて、夫婦水入らずでお出かけしてみることを強くおススメします。
お二人が出会った場所やゆかりの地、思い出のレストランなどもいいですね。
最近忙しくて忘れていた、パートナーへの気持ちを思い出すかもしれません。
新たな感情が生まれることも考えられます。
月1回の行事にすれば、「次回のデートはどこに行こうか?」などと、
自然に2人だけの楽しい会話も増えそうですよね。
3-3.スキンシップのすすめ
楽しい会話、夫婦水入らずのデートが出来るようになったら、次は「スキンシップ」です。
久しぶりだと、これは少し照れくさいかもしれませんね。
でも、思い出してみてください。
出会ってから、初めて手をつないだあの日。
照れくさいけれど、あたたかい、特別な感情が生まれましたよね。
「男性・女性」というより、「家族」となってしまった今だからこそ
あえて、手をつないだときのぬくもりや、あたたかい感情を思い出してほしいのです。
きっとそこから、新たな関係性が生まれるのではないかなと思います。
3-2でおすすめした夫婦デートが月1行事になれば、
自然と手をつなぐようなシチュエーションも生まれるかもしれませんね。
3-4.心身の健康も大事
楽しい会話、夫婦デート、スキンシップとおススメしてきましたが、最後に伝えたいのは「そうはいっても心身の健康も大事だよ」ということです。
いくら楽しい会話や夫婦デートをしようと思っていても、心身が疲れていては、なかなか
そちらに気持ちが向きません。セックスならなおさらでしょう。
実際、セックスレスの理由の中には「疲れている」「その気になれない」「めんどくさい」といった声もあります。
相手を思いやるためには、自分がまず心身ともに健康である必要があるのです。
ここにきて、なんだそんな当たり前のことを…と思われたかもしれませんが、少しご自身の生活を振り返ってみてください。
生活リズムの見直しなど、改善点がありそうであれば、ぜひ実践されることをおススメ
します。これなら今日、今この瞬間から取り組めますね。
4.おわりに
「セックスレス5年」というテーマで、見てきました。
「セックスレス5年って普通じゃないのかな」「ほかの人はどうなんだろう」という
もやもやについては、だいぶ解消されたのではないかなと思います。
実際、良くあることなのです。
ただ、それについて引っかかりを感じているかどうかが注意したいポイントです。
もやもやを解消すること、セックスレスの解消というよりは夫婦関係の改善にまず注目してみることをお伝えしてきました。
あなたの明日からに、少し変化がおこれば嬉しいです。
コメントを残す