目次
はじめに
コミュニケーションと言えば、「対話」や「会話」.
みなさん、夫婦で会話してますか?
ある調査によると、夫婦内での会話があると感じている人はなんと4割。
会話がないままでいると、スキンシップレス、セックスレス、ひいては離婚問題につながるかもしれません。
「いやいや、うちは長年連れ添ってるから会話がなくても問題ない」
そうかもしれません。
でも、そうでないかもしれません。
なぜなら片方だけが満足している関係は、破綻する可能性が高いからです。
今回は、夫婦間のコミュニケーションの重要性について考えていきたいと思います。
1.幸せ夫婦とコミュニケーションの深い関係
突然ですが、あなたは幸せですか?
ここでは、幸せな夫婦とコミュニケーションが持つ役割、そして夫婦の現状を見ていきたいと思います。
1-1.コミュニケーションなくして夫婦の幸せはならず?
内閣府が行っている世論調査で、「家庭は家族団らんの場である、もしくは休息・安らぎの場所である」と6割以上の人が答えています。
また、「幸福度の基準は何か?」という調査には6割以上が健康・家族・家計をあげています。
このことから、夫婦の幸せは家庭が癒しの場所であり、家族関係や夫婦関係が円満であることが重要だと考えている人が多いということが見えてきます。
では、家族団らんや家族の良好な関係を継続するには何が必要なのでしょうか?
それはずばり、コミュニケーションです。
家族は社会構成の基本単位であり、例え血縁関係であっても「他人の集まり」ですから、自分考えや行動、意見が自分と異なることがあって当然です。
お互いが何を考えているのか、何を伝えたいのかを確認し合うコミュニケーションなしに、良好な関係は成立しない、つまり夫婦や家族の幸せはないのです。
しかし、その一方でこのようなデータもあります。
シチズン時計の統計によれば、休日の会話時間が30分以下の夫婦がなんと3割以上、さらに会話が0分の夫婦は4%前後いるのだそうです。休日が一緒ではない夫婦もいることをふまえても驚異の数字ではないでしょうか?
家族だんらんが重要と考えているのに、実際はコミュニケーションが不足しているのは本末転倒ですよね。
1-2.心のコミュレスと体のコミュレス
心のつながりを確認し合うコミュニケーションツールとして会話があるように、セックスもまた重要なコミュニケーションツールです。
しかし、現在の日本の夫婦は6割がセックスレスであるといわれています。
セックスレスの定義は、「病気など特別な事情がないのに、1ヶ月以上性交渉がないカップル」とされています。
「え?1ヶ月セックスしないとセックスレスなの?」と驚く人もいるかもしれません。私もその1人でした。
要は1ヶ月という数字の意味合いよりも、カップルのうちどちらかがセックスをしたいと望んでいるのにもかかわらず長期間セックスができない状態がセックスレスという風に考えるのが一般的な解釈だと思います。
2004年の調査ではセックスレスの夫婦は3割程度だったのが、右肩上がりに増加中であり、レスの原因は夫婦のすれ違いや時間が作れない等の理由から見てもまだまだ上昇が続く可能性が大いにあるといえます。
また、セックスレスの場合、多くの夫婦が同時にコミュニケーションレスでもある事もわかっています。
心も体も離れてしまっている関係の夫婦の間に幸福はあるのでしょうか?
1-3.コミュニケーションレスが引き起こす離婚はありえる?
裁判所による離婚申し立て動機のデータを見てみたいと思います。
男性 | 女性 | |
1位 | 性格の不一致 | 性格の不一致 |
2位 | 精神的虐待 | 生活費を渡さない |
3位 | その他 | 精神的虐待 |
4位 | 家族との折り合いが悪い | 暴力を振るう |
5位 | 浪費する | 異性関係 |
(2020年度)
男女ともに断トツのトップは性格の不一致でした。
「この人なら!」と結婚したのに、性格の不一致が原因で離婚とは一体どういうことなのでしょうか?
結婚する前に性格の不一致に対する不満があれば、そもそも結婚しませんよね。
となると、結婚後に何らかの変化があって、一緒に生活することが困難になったと考えずにはいられません。
多くの人は結婚前より結婚後の方が人生が長いと思います。
そこでは、仕事の昇進や転職、出産や育児、同居や介護といったライフステージの変化に出会うことがあるでしょう。
生活が一変した時に生じるいろんな出来事に対して、忙しさに追われるあまり、お互いの意見のすり合わせが不十分であったり、自分の正当性を振りかざし相手の意見を尊重しないことを重ねていけば、いつの間にか2人の関係に亀裂が生じ、いわゆる「性格の不一致」を感じることになります。
このような後発的「性格の不一致」はコミュニケーションレスが大きな原因であり、逆に言えば、コミュニケーションレスはて離婚につながる可能性があるといえるでしょう。
2.幸福度を高めるコミュニケーションをめざそう
夫婦が幸せであるためにはコミュニケーションは必要不可欠だということをお伝えしてきました。では実際にどのようにしてコミュニケーションを深めていけば いいのでしょうか。
2-1.そもそもコミュニケーションとは
例えば夫に「そういえば明日出張だったわ。準備よろしく」と言われた場合、どんなことを考えますか?
心の中
「え、そういえばってもっと前に出張って知ってたってこと?」 「出張って日帰りなの?朝ごはんはいる?何時に出発するのよ?」 |
おそらくこんなことではないでしょうか?
仕事ですから急な出張などよくあることです。しかし、こんな直前報告や事後報告ばかりが続いたら奥さんは私が困ってもどうでもいいと思っているのね、自分は軽んじられているんだわ、どうでもいいと思われているんだなどと不信感を募らせることになるかもしれません。
あなた自身は悪気はないし、後ろめたいことはしていないのにと思っているのにも関わらずです。
コミュニケーションとは、「伝達」「通信」「意思疎通」などを指し、「交流を図る」「意思を伝え合う」といった行動を指す意味合いでも用いられる言葉でもあります。
しかし、上記の会話は一方的で、意思の疎通や問題に対する理解をする余白がなければ、コミュニケーションは不成立です。
夫婦であれど、いや、夫婦であるからこそ大事にしたいコミュニケーションなのに、コミュニケーション自体を勘違いしている夫婦が存在しているのです。
2-2.コミュニケーションは言語だけでは不十分
コミュニケーションは、「対話」が重要だという話をしてきました。
しかし、実はコミュニケーションにはノンバーバル(非言語)という領域が存在します。
私がアメリカに留学した時の話です。
コミュニケーションを取れたなと感じる相手は、トルコ、インド、韓国、アルゼンチンなど母国語が英語ではない人たちばかりでした。
それは、なんとか伝えよう、なんとか理解しよう、伝わらなければ伝わるまで説明しようという意思のもと、お互いが身振り手振り等を使うようなやり取りがあったからではないかと思います。
赤ちゃんや幼児など対し身振り手振りを大きくしたり、同じ言葉や行動を繰り返すのと同様です。
言語表現より主観的・抽象的にはなりますが、ノンバーバル(非言語)コミュニケーション手段としては有効です。
以上をふまえ、コミュニケーション(会話)をするときは
・一方的に話をせず、相手が理解するまで話し合う
・自分の不満を伝えるだけでなく、問題の解決を一緒に探る
・「わかったつもり」「わかっているつもり」で口に出さないことはせず、確認し合う
・目を合わせて会話する
・相手の話に同調する(リアクションをとることで私はあなたの話を聞いているというアピールをする)
・声の大きさやトーンを意識する
などを意識すると、より相手に伝わりやすくなります。
また、コミュニケーションとは相手に上手く伝えることだけではなく、相手の情報をきちんと受け止めるということが大切です。
自分から話をするのが苦手な場合であっても、相手の気持ちを理解しようとする努力をすれば、有能なコミュニケーション能力の持ち主になれるので、安心してください。
2-3.これはNG!なコミュニケーションと対策法
家庭内におけるコミュニケーションの重要性をお伝えしてきましたが、どちらかだけが努力してもコミュニケーションは成立しないのです。
何とかわかり合おうと日々努力しているのに、実らない思いを抱えている人は沢山います。
ここでは、コミュニケーションが成り立たないようなやり取りをpick upし、損対策法についてお伝えしていきたいと思います。
私たちは共働きなのでお互い忙しい日々を送っています。
せめて夕飯のときは楽しく会話がしたいと思っているのに、ずっとスマホをいじってて「ああ」とか「うん」とかそればっかり。 寝るギリギリまでスマホでゲームしたり動画見たりしているんです。 いっそスマホと結婚すればよかったのに。 |
常にスマホをいじっていることはありませんか?
スマホでゲームをしたり誰かとやり取りするのはとても楽しいことですが、あなたが優先すべきはスマホの向こう側ではなく、今目の前にいるパートナーです。
食器洗いが僕の担当なんですけど、酔っぱらって忘れたり、まぁちょっと汚れが落ちてなかったりってことがたまにあって。
そしたら「もうやらなくていい!」って。 だから言われた通りやらなかったら更に怒っちゃって。もう10日も会話してないです。 向こうから何も言ってこないから、もう洗い物はしなくてもいいってことですよね。 |
「言われないからやらなくてもいい」、「言ってくれればやるのに」、「言わなきゃわからないよ」そう思ってばかりいませんか?
「これを手伝いたいんだけど、どうすればいいかな?」「この手順でいいんだよね?」「一度ちゃんと話し合いあいたいんだ」
そんな風に寄り添うことも大切なコミュニケーションではないでしょうか。
子どもが小さいので毎日が大変です。特に夕方なんて戦争!ご飯作って食べさせてお風呂に入れて寝かしつけ。夕飯の片付けや明日の準備でバッタバタなのに。
それなのに、パパったら、ビール飲んでTV見て。私が忙しいなんて当然ぐらいに思っているんでしょうね。 もう頼りにするのはやめました。 |
ただでさえ子どもの世話で忙しいのに、大人に指示だしするなんてしんどいですし、頑張ってお願いしても「えー?」なんて言われたら本当に心が折れちゃいますよね。
でも残念ながら、あなたの抱えている不満や希望は口に出さなければ伝わりません。
きちんと言葉にすること、これがお互いが分かり合えるコミュニケーションの第一歩です。
こちらは同じようなライフステージである夫サイドの気持ちです。
子どもが3人で妻も大変なんだとは思うんです。朝も夜もバタバタしているから必要事項しか話すことができません。
何かしてあげたいとは思うけど、手伝うと怒られるし、何をすればいいか聞くと怒られるしで、結局手伝うこと止めたんですよね。 そしたら無視ですよ無視。ひどくないですか? もちろんセックスもご無沙汰です。どうしろっていうんですかね。 |
これは正直どちらも心の余裕がないのではないでしょうか?
歩み寄りたいと思う自分と、歩み寄られても指示すらできないほどひっ迫しているパートナー。
この場合は、まず相手が余裕があるときに、話し合いを持つことが大切です。受け皿がなければ、どんなに話し合いをしようと零れ落ちてしまうものです。
また、日常の仕事はある程度パターン化されてきます。出かけるときの準備や子育てや介護をしながらの夕方の仕事などはパターン化を確認した後に2人で仕事の分担を明確にするのがよいでしょう。
言わなくてもわかるのが当然じゃないですか?子どもじゃないんだから。
うちの嫁は本当に気が利かなくて困っちゃいますよ。 会話するだけ無駄だと思ってます。 |
申し訳ないですが、もう末期としかいえないと思います、こんな関係。
言わなくても分かるだろうなんてはっきりいって甘えでしかないですし、会話すらする気がないのは、夫婦として破綻しています。
良好なコミュニケーションには2人の努力が必要不可欠です。
いかがでしたか?
もちろんこれらのタイプは一例に過ぎず、当てはまらないこと多々あるかと思います。
しかし、夫婦のコミュニケーションがうまくいかない理由の多くは「言わなくてもわかってもらえる」そんな慢心が根底にあることが多いのが事実です。
もし、夫婦間がうまくいってないなと感じたら、夫婦のコミュニケーションを職場の仲間や学校の友人に行ったらどうなるかをシミュレーションしてみることをお勧めします。
この会話を上司や部下にしたら?友人とはどうか?
もしあなたが人によってコミュニケーションを変えているのであれば、どちらのコミュニケーションが良好な関係を築けているか考えてみてください。
夫婦がうまくいかない理由が見えてくるかもしれません。
2-4.コミュニケーションも量より質が大切
コミュニケーションを取ろうとしても、相手の気持ちが分からなかったり、自分の気持ちがうまく伝えられないと悩んでいる人がたくさんいます。
特に、現代社会においては共働きの世帯も多く、さらに子育て中や介護なども加われば本当に時間がないなかでコミュニケーションの時間を作るのは大変ですよね。
「なんとかコミュニケーションをとりたいけど、その時間さえ作ることができない」
もしそんな風に考えているならば、コミュニケーションをたくさん取るのではなく良質なコミュニケーションを心がけることをお勧めします。
朝の5分間一緒にコーヒーを飲む、お風呂上がりにアルコール片手に今日あったことを話し合う、その時間も難しいようであればちょっとしたメモ書きやメールでも送るのはどうでしょうか ?
時間が取れない、コミュニケーションが取れない、そんな風にできないことをあげるよりも無理なくできることは何か?を考えることから始め、継続することで質を上げることを目指してみませんか?
そうすることで、二人の間の距離はいつのまにか近づくことになると思います。
さいごに
ライフステージや夫婦それぞれの環境によってコミュニケーションスタイルはたくさんあると思います。
しかし、コミュニケーションの目的はたったひとつだけ!
パートナーとの幸福以外にはありません。
個人ができる努力に限界を感じたら、専門家にアドバイスを乞うこともあっていいと思います。
あなたの明日が幸せであることを心より願っています。
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