目次
1.はじめに
いきなりですが、以下のAさんの朝の風景をどうお感じになりますか?
………
いつの間にか、朝の夫の不機嫌さが増してる気がする。
おはようも言わずに、朝食の時もスマホに指を滑らせながら、私の出したものを8割がた食い散らかすように口に運び、そのまま席を立つ。
おはようぐらい言ってくれてもいいのに……でも疲れてるのかな。私は、夫が先に出かけるまでのあと数分間で、伝えなくちゃいけないことはなんだったけ?どう伝えたらいいかなとぐるぐるする。
なんとか「あのさ…今度の塾の……」と追いかけるようにかけた私の声を、背中で切り捨てるように強めの口調で返答する夫。「あのさぁ、家のこととか子どものこととか、細かいことはさ、頼むよ。俺が稼いでやってるんだからさ。まったく。」
バタンと大きな音でドアが閉まる。ビクッとして、なぜか涙が出ている自分がいた。
新婚時代は夢だったんだよね。きっとどこも夫婦になるとこんな感じよね。しっかりしないと、私。パパによろこんでもらえるように、いつか優しくしてもらえるように。
……そう自分に言い聞かせながら、食卓を片付ける。
……あなたの家ではどんな会話や風景がありますか? これを読んでどう感じられましたか?
2.夫婦間でのモラハラとは? 夫婦喧嘩との違いって何?
コロナになってから、ネット上で「モラハラ」あるいは「モラハラ夫」などのワードが今までにも増して検索されています。
モラハラとは、モラルハラスメントの略で、言葉や態度で相手の人格などを攻撃し、個人の尊厳を否定する精神的な暴力のことです。(1998年にフランスの精神科医であるマリー=フランス・イリゴイエンヌが著書の中ではじめて提唱したもの)
夫婦間のモラハラというと、夫または妻から相手に対してそれが行われている状態ということになりますね。
ただ、ネットでは、相手が不愉快に感じる言動をすることを軽く「モラハラ」と言う風潮もあります。また夫婦喧嘩中のやり取りを「モラハラだ」と勘違いしているケースも中にはいます。
また、一方で、自分がモラハラ状態かどうかは自分では意外とわからないもので、周りから指摘されてハッとすることも。
ただそういった場合も、一時的なモラハラ「傾向」であって、改善できる場合も多いのです。
深刻に考えずに、でも何か違和感や息苦しさを感じていたとしたら、改善できるうちに手を打っておきたいですね。
2‐1.夫婦仲が良くない=モラハラとは限らない
「ケンカするほど仲がいい」という言葉がありますが、言ってしまえば、自分の意見を言ったり気持ちをぶつけているという関係は「モラハラ」には当たりません。
それは、お互いに対等な関係だからですね。
モラハラ傾向にある夫婦は、どちらかが自分のことを我慢して、相手の言うことに従わされる状態になるので、本当の意味で対等ではないのです。
派手にケンカしている、ああ言えばこう言うの繰り返し、言いたい放題で気持ちが休まらない……といった関係は、その状態を望んでいるのかはさておき、二人の関係はモラハラではないと言えるでしょうね。
2-2. 夫婦ゲンカがない夫婦に潜むキケン
そう考えると、「ケンカしない」夫婦は、どうなのでしょうか。
本当にケンカなど無縁な状況ならいいのですが、どちらかが自分の気持ちを押し殺してしまい「ケンカにならない」「しないようにしている」状況だとしたら、それは黄色信号ですね。
今の状況は、結婚あるいは一緒に生活を始めた当時と比べてみてどうでしょうか。
「私さえ我慢すれば」「これを言ってしまったら、色々面倒だからやめておこう」「険悪な雰囲気になるくらいなら、受け流しておこうかな」……そんな風にしてはいませんか。
時にはそうせざるをえない場面もあるかもしれませんが、それを繰り返しているとしたら、夫婦関係はちょっとバランスや関係性が崩れてきているかもしれません。
表面的に穏やかだったとしても、お互いに言いたいことを言えない、相手に気持ちが伝わっていない状態を、普通のこと・当たり前なことと勘違いしている可能性があります。
このサイトの監修をされ、また夫婦の関係修復やセックスレス解消カウンセリングを数多く行ってきた石原沙知さんは、こういう状態について、小さな警鐘を鳴らしています。
「自分や相手との関係が昔と変わってきているな、対等でなくなっているかもしれない、なんとなく不自由や息苦しさを感じる、他のご夫婦と比べて何か違う……そう感じることがあったら、ちょっと注意が必要です。モラハラ「傾向」の可能性があるからです。
今は大きな問題になっていないと感じるかもしれませんが、今後の2人のためにも、ちょっと立ち止まってコミュニケーションや対策をとったほうがいいでしょう。」(サイト監修者石原さん)
2-3.実は深刻!子ども・家族への悪影響
モラハラあるいはモラハラ傾向は夫婦間の問題と思われるかもしれません。でも実は家族、子どもに大きな悪影響を及ぼす場合があるのです。
妻が夫(あるいは逆)の顔色を伺って、我慢していると、子どもも言いたいことを言ったり、自分の感情を出したり、ができなくなっていきます。そう行ったことが多いと、結果、感情表現がとぼしくなったり自主性や自己肯定感が失われていきます。
また、夫から妻(あるいは逆)に向けられる言葉は、自然と子どもに間接的なメッセージとして刷り込まれてしまいます。
こう考えると、モラハラ傾向やモラハラは、夫婦だけのこととして抱え込んではいけない問題と言えるでしょう。
3.夫婦のモラハラ度をチェック!
では、具体的にモラハラやモラハラ傾向とはどういったことを指すのでしょうか。
言葉と行動についてチェックしてみてください。
3‐1.モラハラチェック:言葉編
□「こんなことも分からないの?」
□「誰のお陰で生活できると思っている?」「食べさせてもらってるくせに」
□(相手の仕事に対して)「大した仕事じゃない」「趣味のようなものでしょ」
□「役立たず」「世間での価値がない」
□「女として終わってる」「浮気しても仕方ないよね」
□「こんなまずい飯は食えるか」
□「悲劇のヒロインのつもり?」
□「妻としてしっかりしてもらわないと」
□「任せてるんだからちゃんとやって」「毎日何してるの?」「こんなこともできないの?」
3-2.モラハラチェック:態度・行動編
□ちょっとしたことですぐに不機嫌になって無視する
□機嫌がいいときと悪いときとの差が激しい
□これ見よがしにため息や舌打ちをする
□声を荒げたり、叫んだりする
□にらむ
□必要な生活費を渡さない、自由に使えるお金を相手に与えない
□出された食事が気に入らないと、怒ったり、食べるのをやめて別の物を食べる
□体調が悪いときでも「どんな時でも家事はすべき」と強要したり、放置する
□行動を支配したり制限しようとする
(職場や友人のとの飲み会などに行かせないなど)
□向上心や楽しみを否定したり、バカにしたりする
□スマホを盗み見したり、チェックしたりしている
□LINEで暴言を吐き続ける
□セックスを受け入れないと機嫌が悪くなる
□相手の親と対立しているとき、親の方が悪くても親の肩をもつ
3-3.モラハラどうかの判断ポイント
上記にあげたことは、いくつかの例ですが、ほとんどが当てはまる、という深刻な状況の人は少ないでしょう。(そういった方は、公的な専門機関に相談に行かれてください)
ただ、いくつか当てはまるな……という人も、少ないから安心というわけではありません。
サイト監修者の石原さんはこういうことも指摘されています。
「モラハラ傾向の発言や行動は、数・頻度に関わらず、気をつけたほうがいいでしょう。
私の元を訪れる人も、最初は自分にも悪いところがあるからかもしれない、そういうこともよくあるよね、と思って受け流しているうちに、その頻度がどんどん増えていったというケースがほとんどです。
そして、モラハラ傾向は深刻化すると一気に増えていきます。深刻化するとそこから回復するのには、染み付いた自分の意識や相手の意識を変えていくことになるのでなかなか大変です。
できれば、違和感や息苦しさを少し感じた時点で、これはモラハラ傾向ではないのか、客観的にみてもらえる人に相談や意見もらう方があとあと良いですね。」(サイト監修者の石原さん)
ただ、相談や意見をもらう人も肝心のようです。
「類は共を呼ぶといいますが、親族や周りの人というのは、同じような価値観や境遇の場合が多いです。相談をしても『そういうもの』『私もそうだった』『仕方ない』という答えが返ってくることもよくあるので、相談する相手選びは注意したいですね。」(サイト監修者石原さん)
4.これってモラハラ?と思ったら
意外と人ごとでない「モラハラ(傾向)」ですが、少しでも気になったらどうやって悪化しないうちに対処したらいいのでしょうか。
4-1.夫婦の関係は変わりがち、でも変えられるもの
多くの人が、なんとなく見過ごしていることかもしれませんが、夫婦の関係は最初の状態を保っていくことは難しいですし、実際変わりやすいものです。
同じ空間に毎日いる相手、一緒にいようと思った相手から、もし嫌なことを言い続けられたら、誰でも自己肯定感は下がって行くのは当然ですね。
結婚前は言いたいことも言えたのに、反論したり反発するとまた言葉が返ってくるから、めんどくさくなるので、言わなくなってしまう。それを繰り返すうちに、相手のご機嫌をとるような関係性になり、なんだかいいたいことも言えなくなってしまっていた……ということはままあることです。
逆に言えば、一時的に「モラハラ傾向」になることもよくあることです。
言いかえれば、そうならないために、お互いを客観的にとらえて、相手の言動が自分にとってつらい、どうしてほしいかと話し合うといった夫婦のコミュニケーションが大切です。
面倒かもしれませんが、そういったコミュニケーションをきちんと取ることで、関係性をいい方向に変えていける・モラハラ傾向を解消できる部分もあるということです。
4-2.モヤモヤや違和感は小さいうちに相談・対処しよう
肝心なのは、少しでも違和感を感じたら「あれ?私達の関係、ちょっとおかしいかも?」と感じた自分の感覚に気づくことが大事です。相手と話し合いをはじめてみることですね。
ただ、先ほどもお話ししましたが、自分たちを客観的にみることは非常に難しいことでもあります。自分たちでは当たり前に思っていることでも、第3者からすると異常な状態であることよくあります。しかし、親や友達に相談しても有効な解決策を得られません。
なぜなら、親や友達は夫婦の関係修復のプロではないからです。
深刻な事態になる前に夫婦の関係修復専門のカウンセラーに相談しましょう。なっていることに気づけないままにしてしまうことも多いようです。
「不要なストレスを抱えた生活を送るのに慣れてしまって、幸せな夫婦関係を知らずに毎日を送る人がいるのはとても残念なことです(サイト監修者石原さん)
少しでも「あれ?私達の関係、ちょっとおかしいかも?」と感じたら
解決できないほど深刻な状態になる前に、思い切って専門のカウンセラーに相談してみましょう。














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